盧溝橋の抗日記念館再開 愛国宣伝が本格化

 

 日中戦争の発端となった1937年の盧溝橋事件から68年の7日、北京市郊外の盧溝橋にある「中国人民抗日戦争記念館」が全面改修を終えて再開した。旧日本軍による残虐行為の写真などを多数展示する一方、4月の日中首脳会談で胡錦濤国家主席と小泉純一郎首相が握手する写真なども加え、胡政権の対日関係での未来志向も示唆する展示内容となっている。
 中国政府は「抗日戦争勝利60周年」の今年、全国各地で関連行事を予定しており、記念館再開は皮切り。8月15日の「抗日戦争勝利」など、記念日ごとにマスコミを通じ愛国キャンペーンが展開される見通しだ。
 再開の記念式典には政府や軍関係者ら約2000人が出席、共産党中央宣伝部の劉雲山部長は「抗日の戦いは世界の反ファシスト闘争の勝利に大きな貢献をした」とあいさつした。


<抗日戦争記念館>7日に新装オープン 中国・盧溝橋付近

 日中戦争の発端となった1937年の盧溝橋事件から68年を迎えた7日、北京市郊外の盧溝橋付近にある歴史展示施設「中国人民抗日戦争記念館」が改修を終えてオープンした。「抗日戦争・世界反ファシスト戦争勝利60周年」を記念した大型展覧会「偉大な勝利」も同日から始まり、中国各地で記念イベントが本格化する中、反日感情の再燃も懸念されている。
 同記念館は今年3月から休館し、5000万元(約6億5000万円)をかけて改修を行った。新たに未発表資料約140点が加わり、旧日本軍の武器や化学兵器のほか文献や写真を展示。中国で細菌兵器開発の人体実験を行った旧日本軍の731部隊(関東軍防疫給水部)の実験道具なども展示された。
 記念館前では7日午前、記念式典が行われ、中国共産党政治局の李長春常務委員ら中国指導者と、市民ら約2000人が出席した。党中央宣伝部の劉雲山部長が「中国は世界のファシズムに勝利するため、犠牲を出しながらも大きな貢献を果たした」とあいさつ、戦時中の党の貢献などを強調した。

平成17年7月7日


 
inserted by FC2 system