北制裁求め座り込み 官邸近く、拉致被害家族ら300人

2日目は500人=拉致家族ら座り込み−東京

 北朝鮮による拉致被害者の家族会などは25日午後1時から同5時まで、東京・永田町の首相官邸近くで、
北朝鮮に対する経済制裁発動を求めて2日目の座り込みを行った。
支援団体の救う会によると、家族22人と支援者らを合わせ、一時約500人が集まった。 

 拉致被害者の「家族会」と支援組織「救う会」などは二十四日、東京・永田町の首相官邸近くで、
北朝鮮への経済制裁発動を求める座り込みを始めた。
平成十二年十月に北朝鮮へのコメ支援に反対して自民党本部などで行って以来。
二十五、二十六の両日も、小泉純一郎首相に制裁発動を訴える。座り込みには、
家族二十一人のほか全国の救う会や超党派の国会議員でつくる
「拉致議連」のメンバーら約八十人、一般約二百人が参加した。
 午前十時の開始直後、横田めぐみさん=拉致当時(13)=の父で、家族会代表の滋さん(72)は
「制裁発動は、拉致被害者全員を取り戻すという国家意思を示すこと。
躊躇(ちゅうちょ)していると、拉致問題を重視していないという大変危険な
メッセージになりかねない」と声明を朗読したのに続き、すべての家族がマイクを取った。
 有本恵子さん=同(23)=の母、嘉代子さん(79)は「(北朝鮮に)行けるなら私たちが行って交渉したい。
どうか子供たちが日本の土を踏めるよう努力してほしい」。増元るみ子さん=同(24)=の姉、平野フミ子さん(55)は
「小泉総理」と呼びかけ、「拉致被害者を見殺しにしないでください」と訴えた。
 こうした訴えに、小泉首相は官邸で記者団の質問に答え、「ご家族、つらいでしょうけど、
この問題は対話と圧力の両面から考えていかなければならない。
経済制裁で解決するという状況では現在ない」と慎重な姿勢を崩さず、
日本単独での制裁発動については「関係各国の判断を尊重して協力していかないといけない」と話した。


平成17年6月25日

 

 
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