中国「重大な挑発」 東シナ海ガス田、試掘権手続き


新たな対抗措置示唆
 中国外務省の秦剛報道官は十四日、東シナ海の天然ガス田開発をめぐり日本政府が民間業者への試掘権付与手続き開始を決めたことについて「中国の権益と国際ルールに対する重大な挑発だ」と強く反発、既に日本側に抗議したことを明らかにし「さらなる対応をとる権利を留保する」と、今後の展開によっては対抗措置をとる可能性を示唆した。
 十三日に北京で行われた日本外務省の佐々江賢一郎アジア大洋州局長と中国外務省の崔天凱アジア局長との非公式協議の結果を受けた中国側の姿勢表明であり、日本の国連安全保障理事会常任理事国入り問題、教科書問題をめぐる反日デモが続く中、中国の反日機運をさらに刺激することは必至だ。
 日本政府が試掘権付与の手続きを始めたのは東シナ海の日中中間線付近の日本側海域だが、秦報道官は東シナ海の境界問題について「中国側は一貫して外交的話し合いによる解決を主張してきたが、日本はその中国の正当な主張を無視した」と批判。
 中国側は、日本が排他的経済水域(EEZ)の境界線としている日中中間線自体を認めておらず、同報道官は「日本は『中間線』という一方的な主張を中国に押し付けようとしている。中国としては承服したことがないし、今後承服することもない」と、強調した。
 試掘問題は、十七日の日中外相会談でもとりあげられる予定。
 ≪首相「立場違う」≫
 中国側の「重大な挑発」との反発に対し、小泉純一郎首相は十四日昼、首相官邸で記者団に、「中国の立場と日本の立場は違う」としたうえで、「あまり対立をあおらず、(東シナ海を)協力の海にしていこうという大局的な見地に立って、これからも話し合いが必要だ」と述べた。
 また、細田博之官房長官は同日午前の記者会見で、EEZの境界線である「日中中間線」について、中国側が「日本の一方的主張にすぎない」との反論に対し、「当該地域が沖縄と中国大陸の中間線」との、日本政府の立場を強調した。

試掘権は「重大な挑発」 中国、東シナ海ガス田問題で

 中国外務省の秦剛・副報道局長は13日夜、東シナ海の天然ガス田開発で日本政府が民間業者に試掘権を与える手続きを始めたことについて「中国の権益と国際ルールに対する重大な挑発だ」と批判、既に日本側に抗議したことを明らかにした。状況によっては対抗措置を講じる可能性も強く示唆し、今後、日中間の交渉が難航するのは必至の情勢。日本の国連安全保障理事会常任理事国入りや教科書検定結果に反対する反日デモが中国各地で活発化する中、日中対立がさらに先鋭化する恐れが出てきた。

東シナ海ガス田 試掘権の手続き開始 政府、海洋権益の確保示す

 経済産業省は十三日、東シナ海の日本と中国の排他的経済水域(EEZ)の中間線付近で、日本の民間業者に対して石油ガス田の試掘を認める手続きを始めたと発表した。この海域では昭和四十年代に帝国石油や石油資源開発などが試掘権設定を申請したが、対中政策への配慮から四十年近く留保していた。手続き開始をめぐっては、政府内に中国での対日感情の悪化を考慮した慎重論もあったが、中国が先行して開発を進めているガス田が日本側とつながっていることが確認されたため、日本の権益を主張する必要があると判断した。小泉純一郎首相も同日、「整然と進めていく」との姿勢を示した。
 同省は今月一日、中間線の日本側で地層構造を探査した結果、中国が年内に操業を予定している春暁石油ガス田などが地下で日本側と連続していることを確認したと発表。これを受けて中川昭一経産相は、中国側にデータ提供や開発中止を求め、応じない場合は試掘権の設定手続きに入ると通告していた。しかし、十三日までに中国側から回答がなかったため、試掘権付与の手続きに入ることを決めた。
 経産省は今後、業者から提出される開発計画や希望鉱区の申請を審査し、二、三カ月で試掘権を与える。ただ、実際の試掘には作業の安全確保などの課題が残っているため、経産省は今後、外務省や防衛庁、海上保安庁と連携して手続きを進めることになる。

試掘権付与の手続き開始=東シナ海ガス田開発−経産省

 経済産業省は13日、中国による東シナ海ガス田開発問題で、日本の石油開発業者に試掘権を付与する手続きを開始したと発表した。政府が再三にわたり中国に開発の中止とデータ提供を要求していたが、同国が応じないため、手続きに踏み切ることにした。中国各地で反日行動が激化する中での手続き開始により、日中関係が一段と悪化するのは必至の情勢。17日に北京で行われる日中外相会談にも影響を与えそうだ。

<東シナ海ガス田>鉱脈は日本側につながる 調査結果発表

 中川経産相は1日、東シナ海の天然ガス田「春暁」などの地層が、日中中間線の日本側につながっていると断定する調査結果を発表した。「中国側から誠意ある回答がない場合、試掘権を付与することも念頭に入れる」と述べ、中国への通知後早ければ1週間をめどに、試掘権を設定する手続きに入る方針を表明した。



  

 
inserted by FC2 system