周辺事態で米軍優先の空港・港湾指定…指針策定へ

 日米両政府は、朝鮮半島や台湾海峡などで周辺事態が起きた際、米軍に優先的に利用させる日本の民間空港・港湾の具体名や使用内容を定めた指針を策定することで大筋合意した。

 8日午前(日本時間9日未明)にホノルルで開いた外務・防衛当局の審議官級協議で、こうした方針を確認した。日本は、周辺事態の国内施設の優先利用を担保することと引き換えに、在日米軍の基地や駐留部隊の削減を求めていく考えだ。周辺事態法では、米軍に対し民間空港や港湾の提供を含めた後方支援活動を実施できるとし、その際には協力内容を定めた基本計画を閣議決定すると定めている。しかし、地方自治体や民間に対しては強制力を持たない「協力要請」や「協力依頼」しかできない。このため、実際に周辺事態が起きた際に、協力を拒否されて混乱しないよう、事前に優先利用させる空港などを定めておく必要があると判断した。具体的には、基本計画のうち、空港と港湾の優先利用に関する部分を指針として事前に策定する方向で調整している。指針には、米側が利用する空港や港湾の名称、使用する航空機や船の種類、想定される輸送物資の種類やその規模などを明記する方向だ。

 米側は、1997年の日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定の際に、周辺事態時の民間空港・港湾提供について、ガイドラインに盛り込むよう要求した。米側はこの際、成田、新千歳、関西、福岡、長崎、宮崎、鹿児島、那覇など11の民間空港と名古屋、大阪、神戸、水島、松山、福岡など7港湾を指定して、滑走路の使用や格納庫の提供などを求めていた。今後、日米間で具体的な空港・港湾の絞り込みを行うが、日本側としては成田など混雑が激しい空港の提供は避けたい考えで、滑走路の空き時間の多さなどを考慮して選定していく考えだ。ただ、地元自治体の反発も予想される。日米両政府は具体的な協力内容をまとめた上で、新たな日米防衛協力の指針に盛り込むことを検討している。政府は、米軍再編協議の中で、米軍が周辺事態の際に優先的に使用できる具体的な施設名を明らかにすることで、周辺事態などに備えて常時駐留している米軍兵力の削減につなげたい考えだ。

在日駐留米軍の削減に繋がるのであれば、各地方自治体は進んで協力すべきだ








 
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