「朝鮮日報」05/03/04

「日本の植民支配は不幸中の幸い」 韓国教授の論文が論議に

 韓昇助(ハン・スンジョ/75)高麗(コリョ)大学名誉教授が日本の雑誌に寄稿し
た原稿で「日本による韓国支配は不幸中の幸い」と主張し、議論を呼んでいる。
 韓名誉教授は右寄りの産経新聞が発行する月刊「正論」4月号に「共産主義・左派
思想に根差す親日派断罪の愚 韓日合併を再評価せよ」と題した論文を掲載した。
 韓教授はこの論文で、「大韓帝国の滅亡と韓日合併はあまりにも韓国民には不幸な
ことだったが、不幸中の幸いだった」とし、1930年代、韓国人をシベリアと中央アジ
アの辺境に移住させ、農民虐殺に走ったロシアに合併されていたら、3.1独立運動と
いった事件の際、遥かに大きな被害が出たはずと主張した。
 また、「韓国の民族文化が日程植民当地の時期を通してより成長しており、韓国の
歴史や語学、文学など韓国学研究の基礎を打ち立ててくれたのは、むしろ日本人学者
と彼らの韓国人弟子だった」とし、「韓国でハングル教育を廃止したのは37年からで
あり、太平洋戦争が終わった後、韓国語文学が大きな損失を被ることはなかった」と
主張した。
 韓教授は「韓国人は日本人に対し、負けまいとする競争意識をもっている。このた
め日本の植民地支配が韓国人の成長、発展意欲を大きく刺激した」と付け加えた。
 韓名誉教授は高麗大学・政治外交学科教授として在職し、引退しており、現在「自
由市民連帯」という団体の共同代表を務めている。
 一方、「日帝の手先並みの寄稿」などというネチズンの非難が殺到すると、韓名誉
教授が共同代表を務めている自由市民連帯は、同日ホームページに謝罪文を掲載し、
「日帝の植民地支配が正当で、慰安婦強制動員が大したものではないという韓氏の主
張に憤りを覚える」と述べた。
 韓名誉教授は物議にもかかわらず、「日本が支配しなければ、ロシアが支配してい
ただろうし、日本の植民支配は返って民族意識を強化させる機になった」とし、主張
を曲げなかった。


「中央日報」05/03/04

「日本の植民支配は祝福すべきこと」高麗大教授が寄稿文

  市民団体「自由市民連帯」の共同代表であり高麗(コリョ)大名誉教授の韓昇助
(ハン・スンジョ)氏(75)が、日本の月刊誌「正論」4月号に、「日本の植民地
支配は不幸中の幸いで、むしろ祝福すべきこと」という要旨の寄稿文を載せ、波紋が
広がっている。
  「正論」は産経新聞が発行している雑誌。 今回の寄稿文は、韓教授が運営するイ
ンターネットサイト「賢明な少数のためのサイバー討論の場」(www.wisemid.org
に先月9日付で掲載された本人の文とほぼ同じ内容だ。

  韓教授は「共産主義・左派思想に根差す親日派断罪の愚かさ:韓日併合を再評価せ
よ」という寄稿文で、「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が今回『親日反民族行為真相究
明特別法』を制定した理由は、次期大統領選候補として出てくることが予想される朴
槿恵(パク・クンヘ)ハンナラ党代表の政治的土台を崩すためのもの」と主張した。
  また「韓日併合は民族的に不幸であるが、不幸中の幸いか、または不幸そのもの
だったかは、注意深く見るべきだ」とし、「当時の情勢を見ると、韓国がロシアに占
拠、併呑されなかったのはむしろ幸いだった。 万が一、ロシアに併呑されていれ
ば、1917年のロシア革命で韓国は共産化を免れなかったはず」と主張した。
  寄稿文は「韓国の民族文化は日本の植民統治期間を通じてもっと成長した。 韓国
学研究の基礎を築いたのも日本人学者と韓国人の弟子たちだった」とし、「こうした
点を考えると、日本の植民地支配はむしろ幸運、祝福すべきことであり、日本人に感
謝しなければならないこと」と主張した。
  寄稿文は特に、従軍慰安婦問題について「水準以下の左派的な心性表出の一つが従
軍慰安婦問題」とし、「戦争中に軍人が女性を性的慰安物として利用したのは日本だ
けのことではなく、日本が韓国女性を戦争中に利用したのも一時的で例外的な現象
だった」と主張した。
  さらに「それほど大きな被害でなかったにもかかわらず、屈辱を受けたという老婆
を前面に出して何度も補償金を要求する」とし、「これが高尚な民族の行動といえる
のか」と反問した。
  一方、市民団体とネチズンらは韓教授の寄稿文について、「日本極右派の妄言が韓
国の教授の口から出てくるとは信じられない」とし、一斉に非難した。
  ◇韓昇助教授=政治学界の元老で、韓国政治を専攻。 1955年に高麗大を卒業
し、57年に高麗大大学院で修士、71年にUCバークレー大で政治学博士学位を取
得した。 高麗大政経大学長、平和研究所長などを務めた。 01年からは自由市民連
帯の共同代表も務めている。 著書に「朴正煕(パク・ジョンヒ)ブーム、偶然か必
然か」「人類歴史と世界文明」などがある。

<インタビュー>韓昇助氏「所信を書いた、後悔は全くない」

  韓昇助(ハン・スンジョ)高麗(コリョ)大名誉教授は4日、「日本の植民支配は
むしろ民族意識が強化されるきっかけになった」と述べ、寄稿は所信を書いたものだ
と明らかにした。
  −−「正論」寄稿のきっかけは。
  「最近、真相究明などと言いながら親日行為をした人たちを反民族行為だと責めた
てているが、それは当時の状況に対する無知から出てきたものだ。 親日を無条件に
反民族行為とすることに意見を表明すべきだという考えで寄稿した。 崔南善
(チェ・ナムソン)先生、李光洙(イ・クァンス)先生のように民族文化のために努
力した方をもっと理解しなければならないという意味だ」
  −−日本の植民地支配は幸いだったと書いているが。
  「当時、日本が朝鮮を併呑していなければ、ロシアが併呑していた。 この場合、
むしろ共産化され、スターリンの民族分散政策で韓民族はばらばらに散らばったはず
だ。 したがって日本の植民支配は悪かったのではなく、民族意識を強化するきっか
けになったと考えた」
  −−とはいえ、国民感情を考慮していないのでは。
  「冷静に、公正に、客観的に評価しよう。 帝国主義時代は生存競争と弱肉強食の
時代だ。 当時の日本も‘弱肉’よりも‘強食’を望んだ」
  −−「反民族行為真相究明に関する特別法」を左派の論理が入った悪法だと評価し
ているが。
  「最近の左派の行動はとうてい理解できない。 寄稿文を書いたのもこれに反対し
たためだ。 過去をただすのをやめようというのではなく、ただしてもそれを通じて
反省することに意味を置かなければならない。 世論集め式の人民裁判は国を滅ぼす
亡国の道だ」
  −−寄稿に後悔はないか。
  「少しも恥ずべきことはない。 ハングルで送った文が日本語に翻訳されたはずだ
が、ハングルの全文を読んでほしい。 所信に基づいて書いたものであり、むしろこ
の問題が公論化されることを望む」





 
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