タイトル通り ふざけるな!! で、ある


「朝鮮新報」05/10/15

総聯に対する政治弾圧−強制捜索 朝鮮出版会館襲撃 
暴力的に封鎖、総聯に対する政治的弾圧の一環 


 日本の警察当局は14日、科協に対する強制捜索を口実に朝鮮出版会館を封鎖し、
約5時間にわたって会館内の業務を中断させる行為を敢行した。
警察当局は弁護士の再三にわたる立会い要求を完全に無視したばかりか、病人や妊婦をも入れなくした。
 
警察当局は13階建ての出版会館建物のわずか一部屋を捜索するのに100人以上の警察官を動員した。
 警察当局は「捜索理由を明らかにせよ」「わざと騒動を起さないでほしい」という出版会館側の断固とした
抗議を無視し機動隊を発動させた。不純な政治的目的をもって敢行しようとする捜索に対し、
会館を守ろうとする職員らを捕まえ、首を締め引きずり倒し、暴力的に押しかけ、入口を封鎖した。
 機動隊は電動のこぎりや斧、棍棒、警棒で武装し、職員らを威嚇した。会館内のある女性事務員は、
斧で殴られそうになった。手足に傷を負った職員も多い。
若い男性職員らは、服を引き裂かれ、めがねや所持品を破損させられた。
 
また、機動隊は会館入口にバリケードを張り、2重、3重にならんで封鎖し、会館前の歩道も通れなくした。
さらに、約20台の車両で会館を囲み、物々しい雰囲気を煽り立てた。
 そればかりか、長時間が過ぎたので女性が手洗いに行けるように責任者に取り次いでほしいと再三要求したが、
報告しに行った警官は5分後に来るといい残して2度と戻ってこなかった。

 捜査官らは、午前10時13分から午後1時22分まで、科協の黄附^会長一人だけを立ち会いさせ、
科協事務所内を捜索し、被疑事実と何の関連もないコンピュータ、会議録、
ネームプレートなど43点もの各種資料を押収した。
 会長が捜査官に対し「関係のない物は持っていくな」と指摘すると、ある捜査官は関係の
有無は自分たちが判断すると言いながら手当たり次第、押収しようとした。
 被疑事実と何の関係もない総聯の傘下団体に対する強制捜索は、総聯のイメージを曇らせ、
総聯と在日同胞を離間させようという明らかな政治的弾圧であり、
朝・日友好親善に水を差そうとする陰謀である。
 
この日、警察官と公安関係者らは早朝から会館周辺を巡回しており、テレビ局を含む記者たちも
9時前から会館入口に待機していた。大々的な演出で周辺住民ら日本市民の総聯に対する
イメージを悪くさせようという意図が明々白々だ。
 看過できないのは、公安部と一部極右新聞が結託して、拉致問題と総聯を関連させようとしていることだ。
 日本のメディアは「総聯の不正が明らかになるだろう」「病院関連施設に日本市民が監禁されていた」としながら何ら関係
のない総聯を誹謗中傷している。
 日本警察当局の不当千万な会館襲撃に各地同胞、活動家らは怒りの声を上げている。
 

「朝鮮新報」05/02/05

「女性国際戦犯法廷」冒とく許さない 東京で日朝女性たちの緊急集会

 「(NHK番組に政治介入した)安倍晋三氏が居直ることを許してはならない。表現
の自由が侵害されつつある日常は、ファシズムの見えない根が生えめぐっているとい
うことだ」(福島瑞穂社民党党首)、「特に許しがたいのは女性国際戦犯法廷に対す
る無知と無理解をさらけ出した政治家たちの強弁が、十分な検証を経ないままにメ
ディアにたれ流されていることだ」(西野瑠美子・VAWW−NETジャパン共同代表)
−。既報のように、1日、衆議院第2議員会館で開かれた日本軍性奴隷制を裁いた
「女性国際戦犯法廷」に対する冒とくとひぼう中傷を許さない日朝女性の緊急集会に
は、約200人の女性たちが駆けつけた。この法廷に難癖をつけて、朝鮮を誹謗中傷
し、戦争熱を煽る日本の一部の戦争勢力の企図に対して、厳しく断罪する声が相次い
だ。
 民主党の石毛^子衆院議員は「NHKの番組改ざんは、現在の政治とメディアの深刻
な危機をあらわにするもので、表現の自由を抑圧し、ひいては日本の民主主義を根底
から踏み躙るものだ」と強い危惧の念を表した。さらに小林千代美・衆議院議員は
「いつの間にか、この問題が『NHKVS朝日新聞社』という構図の中に押し込められ、
ことがらの本質的な意味が隠されつつある」と指摘しながら、「今年は敗戦60年を
迎える年。しかし日本は『慰安婦』問題も強制連行の問題も解決していない。この問
題の真の解決のために闘い続けよう」と語った。
 西野瑠美子さんと福島瑞穂さんは、ウソでねじ曲げられた相次ぐ安倍発言について
「ものすごい危機感を抱いている」としたうえで、「天皇の戦争責任を裁いた歴史的
な民衆法廷を『北の工作』などと貶めているのは、過去の清算をきちんと果たし、ア
ジアの民衆と平和で平等な関係を築こうとする市民の動きを妨げるもの」だと指摘し
た。
 また、金昭子女性同盟中央委員長は、安倍氏の一連のデタラメ発言について「北の
工作員とさえ言えば、何もかも正当化できると考えているらしく、これほど朝鮮人民
を侮辱し、そればかりか日本国民と世論を無視した発言をどうして許すことができる
のか」と強く非難した。
 清水澄子・朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会代表も、「(女性法廷に参加した朝
鮮代表団)は南北共同検事団を構成し、共同起訴状を作り上げるべく不眠不休で共同
作業に臨んだ」と振り返り、「彼らの朝鮮民族の尊厳を取り戻そうとする力強さと勇
気、並々ならぬ努力に深い敬意を抱いた」と述べた。さらに同氏は一連の安倍発言に
抗議し、撤回を求めた。
 また、南朝鮮の梁美康「アジアの平和と歴史教育連帯」常任共同委員長は、「女性
法廷の実現のために松井やよりさんらと共に準備段階から最後まで関わった」と指摘
したうえで、「(女性法廷は)被害国の南北朝鮮が一つになって、正義と民族の尊厳
の回復のために力を合わせた民族史的な運動であった」と位置づけた。
 さらに「北の工作員」と安倍氏が決めつけた黄虎男氏は10年来、共にこの運動を
担ってきた知己であり、「もし彼が工作員であるなら、南の国家保安法によって私は
この場には出られなかった」と指摘。
 安倍暴言は何の根拠もないでたらめであると厳しく批判したうえで「こうした安倍
氏のウソは、南北が一つになろうとする動きを妨害するものだ」と断じた。そして
「朝鮮半島の分断を利用して日本が得ようとするものは何なのか。一連の騒ぎは、日
本社会に対して深刻な事態をもたらすことになるだろう」と警鐘を鳴らした。
 また、この日の集いでは、会場からも発言が相次いだ。
 中原道子・早稲田大学教授は「女性法廷は、市民による民衆法廷だから、法的拘束
力はない。
 しかし、1960年代、サルトルやボーボワールを中心に民衆がベトナム戦争下の
米軍を裁いた『ラッセル法廷』は、国家権力から自由なために普遍性を獲得したと評
価された」と指摘。同様に「女性法廷」は世界中の女性たちによって支持されている
と述べ、戦時下の性暴力が長い間裁かれなかった理由の一つは、「国際法を支配して
いたのが男性だから」と歴史や国際法を女性の手に取り戻そうと述べた。
 また、都内の在日同胞女性は「安倍発言の芯は米国の戦争への支援拡大、日本の一
層の自主武装化、戦争構造の増強にある。メディアが北朝鮮を暗黒、悪魔と書き立て
ながら、ウソの情報をたれ流している。ジャーナリズムが平和的論理性を失い、マス
コミが翼賛化した今、真の平和構築には、こうした戦争勢力の底意を見抜き、朝鮮と
の国交正常化と平和交流の道に踏み出すしかない」と訴えた。



「朝鮮新報」05/01/27

朝鮮中央通信社備忘録(全文) 日本は反朝鮮謀略劇の責任から絶対に逃れられない


 既報のように、朝鮮中央通信社は24日、「日本は反朝鮮謀略劇の責任から絶対に
逃れられない」と題する備忘録を発表し、横田めぐみさんの遺骨「鑑定結果」はねつ
造であったことを暴露した。その全文は次のとおり。
 既報のように最近、日本は日本人女性横田めぐみさんの遺骨「鑑定結果」をねつ造
し、それに付け入って殺伐とした反朝鮮騒動を繰り広げている。
 日本の極右勢力と政界の人物が「北朝鮮人権法案」の成立と制裁を唱えながらわれ
われとの対決局面をつくり出しており、日本政府は自国が提起した日本人「安否不明
者」の解明のため今までわれわれが傾けた誠意と努力、その結果を全面否定し、すで
に約束した人道的支援を中断した。
 朝鮮中央通信社は、朝鮮民主主義人民共和国政府の委任によって人民保安省と法医
学専門家が分析した資料に基づいて日本の反朝鮮謀略劇である遺骨「鑑定結果」の真
相を内外に告げるため、この備忘録を発表する。

1 日本の遺骨「鑑定結果」は徹底したねつ造

 横田めぐみさんの遺骨について言えば、彼女の夫から2004年11月14日、
朝・日政府間実務接触に参加するため、平壌入りした日本政府代表団団長である藪中
三十二外務省アジア大洋州局長(当時)が第3者の介入なしに直接手渡されたもので
ある。
 2004年11月15日、日本政府代表団が帰国した後、日本の警察庁は横田めぐ
みさんの遺骨を犯罪関連の「証拠物」と見なし、刑事訴訟手順に従うという口実のも
と、新潟県警察本部を押し立てて鑑定依頼書を出すようにし、科学警察研究所、帝京
大学、東京歯科大学でDNA鑑定と骨相学に基づく鑑定で精密検査を行うようにした。
 数日間にわたる検査の結果、科学警察研究所は「遺骨が高温で焼かれたのでDNAを
検出することができなかった」という結論を下し、東京歯科大学も骨片が微細である
ため、鑑定は困難という立場を表した。
 ところが2004年12月8日、日本内閣の細田博之官房長官が急に記者会見を開
き、「北朝鮮が横田めぐみさんのものであると提供した遺骨がDNA鑑定の結果、他の
2人の骨を混ぜたものであることが判明した」と発表した。
 これとともに、日本外務省も2004年12月25日、北京駐在代表部を通じてわ
れわれに送ってきた「朝鮮から提示された情報、物的証拠の精密調査結果」という文
書で、「朝鮮側から横田めぐみさんの遺骨であると提供された骨に対してはDNA検出
可能性のある骨片10個を慎重に選定して警察当局が国内の最高水準にある帝京大学
と科学警察研究所に検査を依頼した。その中で、帝京大学に検査を依頼した骨片5つ
のうち、4つからは同じDNAが、そして他の1個から異なるDNAが検出された。しか
し、どちらのDNAも横田めぐみさんのDNAとは異なるという検査結果報告が出た。これ
は、国内最高水準の研究機関による客観的で、正確な検査結果である」とした。
 しかし、日本政府が断定した「国内最高水準の研究機関による客観的で、正確な検
査」にはあまりにも疑問点が多い。
 疑問点は第1に、同時に鑑定の依頼を受けた科学警察研究所ではDNA検出ができな
かったのに、帝京大学では「結果」を得たということである。
 帝京大学では、火葬した遺骨からミトコンドリアDNAを分離し、横田めぐみさんの
臍帯と対照して識別鑑定を行ったという。
 帝京大学の「鑑定結果」は「奇跡」だと言えるかも知れないが、1人の遺骨を「2
人」の遺骨に「鑑定」したことについては明白に科学的であると言えない。
 ここで問題は、日本政府が全国の警察機関からこれまで数多くの遺骨を依頼され、
世界最新設備を持って鑑定を行ってきた歴史と経験のある科学警察研究所でDNAを検
出できなかった事実についてはその科学性に背を向け、帝京大学のDNA「鑑定結果」
だけを絶対視したことである。
 これに関連して、日本の週刊誌「週刊金曜日」(2004年12月24日号)は、
「DNAを検出できなかったという事実と検出できたという事実は同じ科学的事実であ
る。法医学のための設備として世界的な環境にあるはずの科学警察研究所が検出でき
なかったこともまた、無視すべきでない結論のはずである。結論を採用する時、委託
した2つの研究機関の結論が一致した時それを採用すべきであろう。食糧支援を中止
し、経済制裁うんぬんの決定につなげることには、科学分析の方法をわい曲して政治
的に利用しているに過ぎないと思える」と暴いた。
 自他ともに認めているように、ひとつの対象を置いて2つの研究機関が分析した鑑
定結果が相反する場合、それに対する評価においてどちらか一方のものだけを絶対視
するなら、それは科学性と客観的妥当性が欠如したものだと言うべきであろう。
 疑問点は第2に、遺骨鑑定のための分析方法である。
 帝京大学は、遺骨鑑定にミトコンドリアDNA分析方法を適用したという。
 しかし、人間の血筋を解明するこの方法も、まず骨片の中に存在する細胞を採取
し、その中からDNAを選別してこそ可能である。
 わが国では、普通平均1200℃で死体を火葬している。
 1200℃の高温で火葬した遺骨を、DNA分析方法で鑑定しても個人識別が不可能
だというのは一般的な常識である。
 遺骨を1200℃の高温のなかで燃焼すれば、すべての有機物質が酸素と結合して
気体状態で空中に飛び散り、無機物質である灰分だけ残ることになり、この灰分も一
定の期間、外見上、形体を残すことはできるが、それも外部的作用が少しでも加えら
れると、形体すら維持できない。
 それゆえ、帝京大学が1200℃の高温状態で燃焼した遺骨から細胞を採取し、そ
れを培養、増殖させる方法でDNAを鑑定したというのは信じがたいことである。
 これについては、日本の週刊誌「アエラ」(2004年12月27日号)が、
「DNAは熱に弱く、火葬した骨に残っていることは普通は期待できない。今回も実力
では日本のトップと見られる警視庁科学警察研究所の分からは(DNAを)検出できな
かったようだ。帝京大学の鑑定結果が正しいとすれば、素人が薪で焼いたためむらが
できて、偶然、熱が伝わらない部分ができ、奇跡的に細胞が残っていたことになろ
う」と暴いた。
 疑問点は第3に、横田めぐみさんの遺骨に対する帝京大学の「DNA識別鑑定書」に
記された分析内容の前後が合わないことである。
 「鑑定書」によると、帝京大学ではミトコンドリアDNAに対する分析が同じ区域内
で塩基配列が骨片1はC型に、骨片2、3、4はA型、骨片5はAG、CT、TC混合型と
なっている。
 一人の遺骨のDNAを構成するヌクレオチドの塩基配列は同型で現れるが、3の型で
現れ、なかでもひとつの骨片は混合型になっているというのは不思議である。
 この結果を無理に受け入れるとしても遺骨は3人、またはそれ以上の人のものと見
なすべきである。
 しかし、これも日本が横田めぐみさんの遺骨は「本人ではない他の2人の骨」とい
う結論と矛盾する。
 特に、骨片5に対する1回目と2回目の分析結果が相異なるのは理解できない。
 骨片5に対する2回目の分析では1回目の分析と同じミトコンドリアDNAの切れ端
を2倍に増加したため当然、1回目の分析結果を立証できる同じ分析結果が出なけれ
ばならないが、完全に相反する結果が出た。
 小さなひとつの骨片から相反する分析結果が出たというのは科学的に完全に矛盾す
ることから、外部からのトリックとしか考えられない。帝京大学の「鑑定書」に「骨
片5は分析限界区域にあり、再生成において問題を抱えている資料であることは明白
である」と指摘されたのは「鑑定結果」を科学的に保証できないということを示して
いる。
 また、遺骨表面でDNAが増幅しなかったというのも疑いを大きくさせている。
 「鑑定書」には、骨片に汚染物質の付着を予想してまず、超音波洗浄をし、ここか
ら出た不用物に骨片に適用した同様の方法でDNA抽出を試みたが、増幅が認められな
かったため、自分たちが鑑定したのは骨の表面に付いている汚染物質ではなく、骨の
中にあるDNAであると記されている。
 横田めぐみさんの遺骨は普通の人々の遺骨と同じように火葬、運搬、保管過程で多
数の人々が扱った。
 1200℃の高温で燃焼した遺骨からDNAを分離するほどの鋭敏な鑑定であれば骨
片の表面に付いた不用物を鑑定する時、その遺骨に直接手をあてた人々に対するDNA
も検出されるべきであったが、検出されていないというのは多くの疑問を抱かせる。
 これは結局、「鑑定」の信憑性を認めてもらおうとしたことであろうか、そうでな
ければ横田めぐみさんの遺骨からDNAの検出が不可能になるや情報機関や特定の機
関、人物が意図的に他人の骨を大学に送り鑑定するようにしたという結論に至る。
 DNAの鑑定に明るい帝京大学の石山c夫法医学名誉教授が、日本では「北朝鮮から
2人分の人骨が来たとみるのが一般的だが、鑑定中に誰かのDNAが混じった可能性も
否定できない」(毎日新聞2004年12月18日付)と述べたのは決して理由なき
ことではない。
 この他に、遺骨鑑定の手順と形式にも問題がある。
 DNAを利用した多形分析は非常に鋭敏で、細密な分析であるため、外部から操作が
少しでも加えられても分析に大きな誤差をもたらすのは必至である。
 一般的に鋭敏なDNA検査は政治的性格を大きく帯びているため、必ず専門家が立ち
会いしなければ医学的、法律的見地から見る時、客観性が認められないことになって
いる。
 さらに、横田めぐみさんの遺骨「鑑定結果」が朝・日関係に無視できない影響を及
ぼすということを考慮に入れる時、こうした要求がさらに重要な問題として提起され
る。
 しかし、日本政府がわれわれに送ってきた「鑑定書」には分析者は言うまでもな
く、立会人の姓名も明示されていない
 日本政府が立会人もない「鑑定文書」、分析者の姓名と分析機関の公印もない文書
をもって「客観性のある科学的検査」であるとして、なんらかの「解明」をうんぬん
すること自体がわが朝鮮に対する重大な冒とくにほかならない。
 諸般の事実は、日本が持ち出している遺骨「鑑定結果」なるものが、体質的にわが
朝鮮に反対する極右勢力とこの勢力と結託して自分の政治目的を達成しようとする不
純な連中のねつ造品であることを如実に実証している。

2 信頼できない日本

 われわれは過去、わが国を武力で占領し、史上類例のない野蛮な植民地支配を実施
し、わが人民に前代未聞の不幸と苦痛を被らせながらも、60年の歳月が流れようと
している今日も、その清算を回避している日本に対するわが軍隊と人民の憤りが噴出
しているなかでも、拉致問題を解決するために可能な限りの誠意と努力を尽くした。
 拉致問題が、日本政府の終始一貫した反朝鮮敵視政策とそれによるわが人民の激昂
した反日感情を背景に生じたことを考慮に入れる時、日本政府にも問題の責任があ
る。
 しかし、われわれは2002年9月の朝・日平壌宣言の採択以降から2004年7
月までの期間に拉致生存者とその家族、そして拉致被害者ではない米国人のジェンキ
ンス氏と彼の二人の娘も日本に帰した。
 また、難関は多かったが、日本政府が提起した日本人「安否不明者」の生死可否を
再調査し、確認するため、国家的な措置を講じて調査委員会を組織し、誠意ある調査
活動を行ったし、2004年8月と9月の北京接触に続いて11月に平壌で行われた
朝・日政府間実務接触で「安否不明者」が死亡したこととその原因、生存時期の生活
経緯など、その期間の調査結果に対して日本側に具体的に通報し、それを立証できる
証拠資料の提示、証人との面談など実際にわれわれはできる限りを尽くした。
 これに対して、日本側団長である藪中三十二外務省アジア大洋州局長(当時)は、
平壌で行われたわれわれとの公式接触の際、「これまで調査委員会が積極的に協力し
てくれたことに対してありがたく思う」としながら、今回、自分らが「いろいろな事
件確認資料を手にし、証人および関係者との面会などをするように協力してくれたの
は調査委員会の誠意として受け入れたい」と発言した。
 また、「安否不明者」の解明において基本は横田めぐみさんであるため、「彼女の
死亡を確認し、日本の人々を納得させるため、彼女の遺骨を必ずや引き渡してほし
い、遺骨は当然、彼女の父母に伝えなければならないのでお願いしたい」としなが
ら、横田めぐみさんの夫との会見と遺骨の引き渡しを何度も哀願するように懇請し
た。
 そして、横田めぐみさんの夫と会って遺骨を受け取る時に日本側団長は「横田めぐ
みさんの夫からめぐみさんの遺骸をわたしが直接受け取った、これをめぐみさんの両
親に直接渡すということを約束する、公表しない」という自筆内容を文書化し、サイ
ンまでした。
 しかし、日本側は遺骨を持ち帰っては公表程度ではなく、東京都港区の会館に展示
しておき、もともと土葬した遺骸をわれわれが意図的に出土し、鑑定できないように
火葬したと言いがかりをつけて反朝鮮謀略騒動に火をつけた。
 この他にも、われわれが積極的に協力したことに対して表では「ありがたく思う。
誠意として受け入れたい」としながら、帰国してからは「朝鮮側の説明を裏付けるも
のはなかった。日本政府として全く受け入れられない、誠意を欠く対応に強く抗議す
る」という内容の文書まで送ってきた。
 日本は、横田めぐみさんの遺骨「鑑定結果」だけをねつ造したのではなく、彼女の
夫と娘との親子関係をも否定した。
 日本政府代表団のメンバーは、2004年11月12日に高麗ホテルで横田めぐみ
さんの夫と会って数枚の家族写真をもとに対象確認をする方法で秘密裏に彼の指紋と
皮脂を採取した。
 そして、日本側団長は2004年11月14日に横田めぐみさんの夫と再会する前
に粘着液を手に塗って彼と握手しながら相手の手に付着した細胞を採集した。
 このように採集した細胞を日本政府代表団内の警察庁関係者が高麗ホテルで受け
取って帰国した後、科学警察研究所で細胞鑑定をするようにし、その結果を帝京大学
に渡して横田めぐみさんの娘のDNAと対照鑑定するようにした。
 そして、横田めぐみさんの夫とその娘が親子ではないと事実を完全にわい曲して言
論界に流した。
 この結果、日本の週刊誌「週刊現代」(2004年12月6日号)には「握手作
戦」によってわれわれが「にせの横田の夫」「にせのヘギョンの父」を明かしたとい
う謀略記事が載ることになった。
 われわれは、日本政府代表団が外交慣例に類例のない稚拙で、陰謀的な方法で横田
めぐみさんの夫の指紋、皮脂、細胞などを採集したことを最初から知らなかったので
はないが、それが事実を立証することにつながると見てそのまま放置した。
 日本が最初から問題の解決を願わず、いかなる場合にもわれわれに言いがかりをつ
けるところに焦点を合わせていたということは、日本の反朝鮮謀略団体の策動はさて
おき、政界の動向だけを見てもよくわかる。
 日本政府代表団が2004年11月15日に帰国してわれわれが提示した証拠資
料、遺品、遺骨などに対する確認検査をする前の11月17日、安倍晋三自民党幹事
長代理は東京都内で行った講演で「見る物もなく、うそにうそを重ねている。北朝鮮
には圧力だけが通じ、当然経済制裁を発動する段階に至った」と暴言した。
 これに先立って11月16日、中山成彬文部科学相、小池百合子環境相の閣僚らは
記者団に「われわれが怒っていることを見せる時期がきた」「経済制裁などいろいろ
な圧力を重視すべきだ」「国際社会の場でもアピールしていかなければならない」と
唱え、超党派国会議員組織である「拉致議員連盟」は総会でわれわれに対する経済制
裁発動、人道主義支援の中止などを求める声明を発表し、11月18日には自民党が
5段階の制裁実施案を最終検討するなど、われわれに対する制裁と圧力の雰囲気を鼓
吹した。
 現状況は死んだ人を生きているとし、親子間の肉親関係を否定し、にせ遺骨までつ
くり出す日本こそ、信じようとしても信じられず、親しく過ごそうとしても過ごすこ
とができない国であることを如実に示している。

3 遺骨「鑑定結果」をねつ造した日本の本心

 遺骨「鑑定結果」をねつ造してまで拉致問題の解決を認めず、むしろわれわれの誠
意と努力を全面否定しながら朝・日関係を最悪の対決状態へ追い込んでいる日本の下
心がどこにあるのかというのは難なく察することができる。
 正しい政治哲学と理念がないことから国家外交は対米追従一路に執着し、政界は派
閥と権力纂奪のための争いで月日を送って過ごしており、軍国主義の復活が危険度を
越えているのが今日の日本の政治状況である。
 彼らに共通点があり、一脈相通ずる側面があればそれは拉致問題を「国民感情」の
美名のもと、自己の過去清算を回避するための盾に、国際的にわが朝鮮を孤立させる
ための道具に、政略実現とはなはだしくは金もうけのよい手段に利用するのが「国
益」に合致すると見なしていることひとつだけである。
 日本はまさに、このような「国益」のために拉致問題の解決を必死になって認め
ず、にせ遺骨事件をつくりあげたのである。
 しかし、日本がいくら白を黒といい、卑劣な方法で政治目的を達成しようとしても
横田めぐみさんの遺骨「鑑定結果」をねつ造し、わが朝鮮を謀略で害した責任から絶
対に逃れられないということをとくと知るべきである。
 日本政府は横田めぐみさんの遺骨が本人のものではないと言った以上、われわれが
累次求めたとおり遺骨をたしも引きもせずに原状のまま送還し、「鑑定結果」ねつ造
事件の真相を徹底的に究明し、責任ある者を厳重に処罰すべきであろう。
 2005年1月24日
 平壌



「朝鮮新報」05/01/24

NHK番組改ざん事件 暗躍するタカ派政治家
日朝交渉に難癖難癖 「慰安婦」「強制連行」否定


 2000年12月、東京で開かれた「女性国際戦犯法廷」(「女性法廷」)を巡る
NHKの番組改ざん事件で、「政治家の圧力で内容が改変された」と番組の制作責任者
が告発した。名指しされたのは自民党の安倍晋三・幹事長代理と中川昭一・経済産業
相である。
 そもそも、「女性法廷」は日本軍性奴隷制を裁いた民衆法廷であり、当時の国際法
に照らして、昭和天皇の有罪と日本の国家責任を認定する歴史的判決として、海外で
大きく報道された。しかし、日本の国内メディアは「天皇」と「慰安婦」という2大
タブーに挑んだこの法廷を恐れ、ほとんど黙殺してきた。
 そんなメディアの中にあって、「女性法廷」を共同主催したVAWW−NETジャパン
は、法廷を記録する番組を制作したいというNHKの意向を評価し、全面的に取材協力
したと言う。ところが、実際にETV2001シリーズ「戦争をどう裁くか」の第2夜
「問われる戦時性暴力」(01年1月30日放映)として制作された番組は、事前の
企画案とはまったく違うものとなっていた。画期的な判決についても全く触れず、加
害兵士の証言を全面カットし、さらに右翼学者に「法廷」を非難させ、「慰安婦は売
春婦」「証言に裏づけがない」という誹謗中傷を垂れ流すアンフェアなもの。
 この番組改ざんに安倍、中川という超タカ派政治家らが介入していたことが、今
度、明るみになった。安倍氏は02年、早稲田大学での講演で「大陸間弾道弾をもつ
のは憲法違反ではない、戦術核の保有も違憲ではない」と公言した好戦的な人物。
「拉致議連」や「救う会」を背景に、日朝交渉にことあるごとに難癖をつけながら、
「北朝鮮憎し」の空気を最大限に煽り、軍備増強や戦争体制構築の急先鋒に立ってき
た。
 さらに、安部氏は16日のTV番組で「女性法廷」に出席した朝鮮側の「従軍慰安
婦」・太平洋戦争被害者補償対策委書記長の黄虎男・朝鮮対外文化連絡協会局長と著
名な法学者の鄭南用氏を「北朝鮮工作員」と断じた。黄氏は金丸訪朝時、金日成主席
と金丸氏の対談に同席した通訳者であり、小泉首相の2度の訪朝の際にも金正日総書
記との会談に通訳者として同席した朝鮮政府の高官。安倍氏の言い掛かりは事実無根
で実に無礼であり、民族差別、人種差別的で、朝鮮への憎悪と敵対感情を露にした外
交上、常軌を逸するものだ。
 一方の中川氏も植民地主義者の根性をむき出しにする。昨年末には、歴史教科書に
ついて「きわめて自虐的、やっと最近、いわゆる従軍慰安婦とか強制連行とかいった
言葉が減ってきたのは本当によかった」などの妄言を吐いた。同氏は98年の農水相
時代にも「従軍慰安婦」問題を否定するなど、確信犯的な言動で知られている。
 ちなみに、安倍、中川両氏は95年、自民党の歴史・検討委に名を連ね、侵略戦
争、朝鮮への植民地支配を正当化、美化する「大東亜戦争の総括」の刊行に関与し
た。すでに日本政府は、「慰安婦」制度に旧日本軍が直接関与したことを示す公文書
の発見などもあって、「政府・軍が関与」と「強制性」を認めた(93年河野官房長
官談話)。しかし、その後も奥野元法相、板垣正参議院議員ら閣僚、政治家らが相次
いで、「強制的に連れていったという客観的証拠はあるのか」「歴史の真実ではな
い」と往生際の悪い妄言を繰り返してきた。これこそ、歴史の真実をねじ曲げる「強
盗の開き直り」である。作家の三浦綾子さんはかつて「人の家に大砲をぶち込んで女
を連れ去って、何もしていない、侵略していないと、どうして言えるのか」と一喝し
た。
 あるヤクザの親分も侵略戦争について触れながら「他の国の縄張りを荒らしたんだ
から、間違いなく侵略だ」(雑誌「世界」96年7月号)と断じた。とすれば、その
認識すらない政治家らが、今や、日本の政治やメディアを牛耳っているのだ。
 「女性法廷」の提唱者、ジャーナリストの松井やよりさんは、平和と非暴力の21
世紀を築く国際的な女性連帯行動の中心として八面六臂の活躍を見せた。困難を乗り
越えて、世界30余カ国から400人が参加し、3日間の審理に内外約5000人近
くが参加した同法廷は、ついに天皇の戦争責任を裁き、国際社会の大きな信頼を勝ち
えた。その労苦が松井さんを蝕んだのか、多くの人たちに惜しまれつつ、02年12
月、肝臓がんで他界した。生前松井さんはこの法廷について、「日本社会のありよう
を根本的に問うのですから、当然、逆風は覚悟しています」と本紙にキッパリ語って
いた。そして、死の床から書きあげた最後の著書「愛と怒り 闘う勇気」(03年岩
波書店刊)で、拉致報道をめぐる異様な状況に警鐘を鳴らしながら、「日本がかつて
の植民地支配と戦争によって北朝鮮の人々を痛めつけた歴史に対して謝罪も賠償も拒
んで、隣国同士の正常な関係を作って来なかった」とメディアの偏向報道の責任を鋭
く問いかけた。そして、「勇気をもって闘え」と訴えた。
 いま、日本のメディアは権力の僕として戦争勢力に荷担しながら、もう一度「大本
営発表」を担うのか、その道に抗い、戦争ではなく、平和の構築へと踏み出すのか、
岐路に立たされてている。


労働新聞、「強制連行から論じるべき」

 労働新聞11日付は、「日帝の特大型の強制連行、拉致犯罪は隠せない」と題する
署名入りの記事を掲載した。
 記事は、日本の極右勢力が、朝鮮側が人道精神を発揮して渡した拉致被害者死亡者
の遺骨問題を持って反朝鮮策動に血道をあげているとし、拉致問題にかこつけて反朝
鮮茶番を演じるのは途方もないことであり、憤激せざるを得ないと指摘した。
 また、「日本が真に拉致問題を論じようとするなら、かつて日帝が朝鮮で働いた特
大型の強制連行、拉致問題から先に論じ、きれいに清算すべきである」と指摘。
 さらに、今も日本の各地には日帝に強制連行、拉致されて残酷な不幸と苦痛、死を
強いられた多数の朝鮮人の遺骨がそのまま放置されていることに言及しながら、「日
本が真に拉致問題、遺骨問題を論じようとするのなら、朝鮮人強制連行、拉致犯罪と
その被害者たちの遺骨問題から解決するための実践的措置を講じるべきである」と主
張した。(朝鮮通信)


NHK裁判 高裁裁判長 結審せず4月に期日指定
内部告発で慎重判断

 NHKが01年1月に放映した「女性国際戦犯法廷」に関する番組で異常な改ざんを
行ったとして、「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW−NETジャパン、共
同代表=西野瑠美子)が、放送、製作に関わったNHKなどを相手取り起こした控訴審
口頭弁論が17日、東京高裁812号法廷で行われた。
 裁判は、NHKがETV特集としてこの「法廷」を記録する番組の制作を企画したが、番
組放送中止を要求する圧力により、番組内容が大幅に改ざんされ、「法廷」のフルネー
ムも、主催者も、起訴内容も、「天皇有罪、日本の国家責任」を認める判決も全く紹
介されず、「法廷」を評価する解説者のコメントもカットし、「慰安婦」制度は売春で証
言は根拠がない、などという右翼学者のコメントを長々と流すという大幅に異なる内
容になっていたことに対し、バウネットらが、番組を制作したNHKなどに対して、視
聴者に誤解と偏見を与え、被害女性たちを侮辱し、「法廷」を開いた人々の名誉を傷つ
けるものとして、東京地裁に提訴したもの。東京地裁は昨年3月、取材交渉を行った
制作会社に100万円の支払いを命じたが、バウネット側は、「判決は下請け会社に
のみ責任を押し付け、NHKの編集権が大幅に認められ、『権力からの自由』というメ
ディア本来の役割を萎縮させかねない危険なもの」として東京高裁に控訴。
 秋山寿延裁判長は当初、この日で結審する意向を示していたが、番組改ざんに関し
て中川昭一、安倍晋三両自民党国会議員の圧力があったことが報じられ、内部告発者
が実名を明かして記者会見するなど新たな展開を見せている中、予定を変更し、政府
幹部らがNHKに番組内容の申し入れをしたとされる問題について、双方に主張を尽く
すよう求めた。
 次回期日は4月25日。それまで原告側が主張の書面を提出し、その後NHKなどが
反論する。
 バウネット側は、事実を隠し、司法の場において偽証を続けてきたNHKに対して強
く抗議している。またひん繁にマスコミに登場し、自らの行為を正当化し、世論を味
方につけようとしている安倍氏の事実わい曲発言を取り上げ、マスコミ各社に事実を
正確に知らせるよう呼びかけた。



 
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