売国小泉、総連に親書


総連で首相挨拶代読 拉致未解決のまま“友好姿勢”先行

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の第二十回全体大会が二十八日から都内で始まり、自民党を代表して甘利明筆頭副幹事長が出席、党総裁としての小泉純一郎首相挨拶(あいさつ)が代読された。朝鮮総連の大会で党総裁挨拶が披露されるのは初めて。北朝鮮による日本人拉致事件や核・ミサイル問題の解決が見通せない中で首相主導の“友好ムード”が先行した格好だ。
 大会では徐萬述朝鮮総連中央常任委員会議長が午前中に「(日朝平壌宣言以降)日本の右翼勢力と反動的な一部のマスコミが拉致問題を極大化することによって、反共和国、反朝鮮総連の異様な雰囲気が醸し出された」と報告。
 午後になり甘利氏のほか民主党の藤田幸久衆院議員、公明党の高野博師副幹事長(参院議員)が出席した。
 甘利氏が「小泉総裁のメッセージを預かってきた」と登壇すると会場からは拍手が起きた。
 代読された挨拶では、首脳会談の成果として(1)平壌宣言履行の再確認(2)一部の被害者家族の帰国と安否不明者再調査の約束(3)コメ、医薬品の人道復興支援(4)在日朝鮮人への差別解消−が報告され、「国交正常化の実現に向け、最大限努力を払っていきたい」との首相の意向が表明された。
 朝鮮総連の前回の全体大会(三年前)には甘利氏が、前々回の六年前は森喜朗総務会長(当時)が出席したが、首相挨拶の紹介はなかった。
 大会は二十九日閉幕する。(


朝鮮総連大会に首相メッセージ、「橋渡し」に返礼?

 小泉首相は28日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の第20回全体大会に、自民党総裁として祝意を伝えるメッセージを送った。首相が同大会にメッセージを寄せるのは極めて異例だ。日朝首脳会談で表明した「在日朝鮮人への友好的な対応」の具体化とも言えるが、自民党内では「首脳会談橋渡しの返礼」との見方もあり、疑問視する声も出ている。

 ■思 惑■

 首相のメッセージは、自民党の甘利明筆頭副幹事長が代読した。この中で、首相は、日朝首脳会談で「大局的かつ率直な議論」が行われたとして、〈1〉日朝平壌宣言の再確認〈2〉拉致問題での一定の前進〈3〉国際機関を通じての人道支援〈4〉在日朝鮮人に対する友好的な対応――を強調。そのうえで、「日朝間の諸懸案の解決に向け早期に具体的な前進を図り、国交正常化の実現に向け、最大限努力を払っていく」と表明した。

 これを受けて、朝鮮総連の徐萬述(ソ・マンスル)議長も大会報告で、「小泉総理は『制裁法』を発動せず、在日朝鮮人を差別することなく友好的に対応する旨を表明した。朝・日両国関係を巡る環境の大転換だ」と歓迎した。

 同大会は3年に1回開かれる。自民党は6年前に当時の森総務会長が出席してあいさつし、3年前は甘利副幹事長が山崎幹事長のメッセージを代読した。今回は、朝鮮総連から総裁あての招待状があり、首相側が、総裁としてのメッセージを送ることにしたという。

 首相側には、在日朝鮮人への配慮を示し、拉致問題などでの北朝鮮の誠意ある対応を促す狙いがある。また、今後、朝鮮総連を対北朝鮮交渉の窓口としたい考えもあるようだ。

 ■疑 念■

 先の日朝首脳会談を実現する過程では、朝鮮総連が首相官邸と金正日総書記の橋渡し役を務めたとの見方がある。首相が今回、自らメッセージを送った背景に、こうしたことの「見返りではないか」(自民党筋)との声も出ている。

 ただ、「拉致問題や工作船事件などが明るみに出たことで、朝鮮総連に対する国民の目は厳しい」(自民党幹部)といったとらえ方が一般的だ。

 朝鮮総連は北朝鮮の指示を受けて活動している団体だ。かつて朝鮮総連から北朝鮮への不正送金疑惑も取りざたされた。朝鮮総連関連施設は、「外交機関に準ずる」として固定資産税などの減免措置がとられていたが、全国の自治体の間に課税する動きが広がっている。

 このため、「首相の対応はあまりにも前のめりではないか。朝鮮総連は友好団体ではないし、北朝鮮側にはもっと圧力をかけなければならない」(水野賢一衆院議員)など、首相の対応に懸念を示す声が出ている。

 細田官房長官は28日の記者会見で、朝鮮総連への対応に関し、「是々非々でもあり、日朝の今後の関係を考えながらできるだけ最善の対応をしていく」と述べた。

 ◆朝鮮総連=正式名称は「在日本朝鮮人総連合会」。ホームページによると、在日朝鮮人の運動組織として、1955年5月25、26両日に東京の浅草公会堂で結成大会が行われた。都道府県に地方本部がある。傘下には在日本朝鮮人商工連合会や在日本朝鮮青年同盟などの団体があり、民族教育のために幼稚園から朝鮮大学校までの学校も運営している。また、出版、貿易、文化・芸術、旅行などの事業活動も幅広く行っている。(


総連大会に初のメッセージ 自民党総裁として首相

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の第20回全体大会が28日、東京都内で開かれ、小泉純一郎首相が自民党総裁として初めてメッセージを寄せた。
 メッセージは「朝鮮半島の安定は、北東アジア地域の安定に極めて重要な意味を持つ。日朝首脳会談の結果を踏まえ、国交正常化に最大限の努力を払いたい」との内容で、甘利明自民党副幹事長が代読した。
 全体大会で朝鮮総連の徐萬述議長は22日の日朝首脳会談について「小泉首相は関係を正常化する意思を示し、在日朝鮮人を差別することなく友好的に対することを表明した」と報告した。
 また「拉致問題で活動家や同胞の間で一時、精神的動揺と混乱が生じたが、祖国を信じ組織を守った」と現状を総括。一方で民族教育や企業活動を取り巻く環境は厳しいと指摘した。


平成16年5月28日


 
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